10 28, 2008

「相田合同」製の鍬の修理に思う事

下の記事の修理に持ち込まれた鍬の中に弊社の鍬が2点ありました。同じような鍬に見えるでしょうが、1つは『ヒツ』もう1つは『コミ』式の鍬です。いずれも千葉県の南部地域で広く使われている形状の鍬です。

ヒツの鍬は柄のガタツキを直して欲しいという要望でした。「鍬の柄の緩み解消」は鍬鍛冶にとって大きなテーマの1つになります。そもそも金属と木といった異素材の組み合わせですから緩みが起きるのは当たり前の話。そこを鍛冶屋の技術と工夫で、より緩みが起きにくいさまざまな接合の構造が考案されています。ヒツ式・コミ式はそんな接合方法の代表的な形でもあります。

ですから出向いて開催する修理のイベントには、各地の鍛冶屋がお客様である農家の要望を鍬に表すべく創意工夫された品が多く集まってきます。弊社会長はそんな修理品を眺めてはニコニコしています。きっと各地で創意工夫している鍛冶屋の顔が目に浮かぶのでしょう。

反面、修理の鍬が数多く集まってくることは、その土地で仕事をされている鍛冶屋が何らかの理由で商売を閉じられている可能性が非常に高いということにもなります。なんか複雑な心持ですね。

写真の鍬も数年ぶりに作り手である弊社に戻ってきました。商品として販売されたこの鍬が修理品として戻ってきたということは、この土地には鍛冶屋がいなくなったことを証明したことになってしまいます。

そんなことを考えながら鍬の修理をしていました。直して使うことを決めていただいたお客様に今後もかわいがっていただき、再び会えることを願った次第です。お渡しする前に記念の写真を取らせていただきました。

投稿者 godos : 2008年10月28日 17:52