燕三条鍛冶の伝統を守り、手造りにこだわり続ける鍬・農具の専門メーカー

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一日一鍬ブログ:相田合同工場

今日の特注品
2017/02/13  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:相田聡



外は雪景色ですが、仕事はずいぶん春めいてきました。
春が近づくと増えるのは、鍬の修理と商品の問い合わせです。その二つを足して割ったような話になるのが、画像のような特注品のオーダーになります。
一番目の画像の11本爪があるのが、この度お引き受けした特注品です。
画像二番目と三番目が弊社の定番商品の「六つ子」と「八つ子」です。
六でもない、八でもない十一がこの度の正解となりました。農具はそもそもパーソナルな道具ですので、こちらで準備した商品以外のところに需要が潜んでいるという、典型的な事例です。
かといって、六、七、八、九…という品揃えは怖くてできませんけど(笑)

タイ王国の鍬事情調査記 ③
2016/04/15  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





次にカセサート大学のほど近いところにある、小規模の日本のホームセンターのような店舗を訪問。

もともとは鍛冶屋で、その後メーカーに転じトラクターブランドの農具を製造すると同時に、農具関連資材や雑貨を販売しているとの事。



鍬や鎌、鉈といった農具のほかにパームヤシの実を落とすための様々の用途の農具が並んでいた。前述の鍛冶屋見学時の印象とは大きく離れ、機械生産された商品が整然と品揃えされている。




地元農家使用の農具の調査をしていないので実情に対しての過不足は断言できないですが、店の品揃えを見る限り必要農具の欠落は想像できない印象。農具の販売方法は国が変わっても違いが見られないと思いつつ、野鍛冶の生き残り策も変わらないのかと暗澹たる気分になりました。

タイ王国の鍬事情調査記 ②
2016/04/05  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





今、タイは乾期で一年で最も熱い時期に入っているそうです。ですので、鍛冶の作業(火づくり)は午前5時から7時までの2時間で済ますそうです。

私達が鍛冶場を訪れたのは午前10時ころ、すでに朝の鍛冶仕事は終了しておりました。日本から鍬の調査に来た事を知った鍛冶屋のご主人はおもむろに作業を始めました。私たちに仕事の一部を紹介してくれたのです。



鍬づくりの考え方はそう遠い印象は受けませんでしたが、在る環境で対応する職人の仕事の仕方には感銘を受けました。私が子供のころに見ていた鍛冶屋の風景に近い印象です。



創意工夫とともに鍬づくりに励む。タイの鍛冶職人の技術と心意気を肌で感じたのでした。

タイ王国の鍬事情調査記 ①
2016/04/01  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





3月28日から31日まで、タイ王国の鍬事情調査に行って来ました。

実質調査期間は29日、30日の2日間でした。初日はカセサート大学近郊の個人経営鍛冶屋と農具製造販売店を訪問。2日目はアニヤックナイフビレッジで刃物ミュージアムと個人経営鍛冶屋、一村一品の販売店を尋ねました。



個人経営の鍛冶屋
先代が中国から移住して鍛冶屋を始めた。店と鍛冶場には中国の新春を祝う「開工大吉」の文字があり、祭壇が祭られている。主人は2代目で69才、鍛冶屋は生まれる前から営んでいたらしい。



金属材料の軟鉄・鋼の調達は製造する刃物が機械刃とサトウキビ・稲刈り用鎌に不具合なく調達されている。燃料の炭は近郊に自生する木材料とした炭を調達している。



手ハンマー、金工ヤスリが作業上必要な手工具とみられる。電動工具、機械設備はディスクグラインダー、送風機、ボール盤が一台とアーク溶接機。鍛冶場を拝見して、加熱炉の大きさに比べて機械ハンマーが見当たらなかったのに驚いた。

(タイ王国の鍬事情調査記 ②へつづく)

家庭鍬の違和感
2016/03/04  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者



画像は家庭鍬のステンレス鋼付の商品です。この商品、ホームセンターで販売されている商品と違うところがありますがお気づきでしょうか。



答えは、「刃部の反り」です。刃部の反りを従来品と比べ小さくしています。
(一般的な家庭鍬)

家庭鍬は、そもそもホームセンターで販売される安価な商品として地元三条の流通事業者が開発したものです。地元の農家さんが使用している鍬をモチーフに、安価にかつ流通しやすい形にしたものです。ですので、地元特有の深い反りが鍬に残されています。
この反りは、地元の田んぼで畔を塗るには非常に都合が良いのです。軟弱地盤の深い田んぼでは、作業者が田んぼに入って畔を塗るため、鍬の反りは刃の裏面をコテ代わりに使用できます。

しかしながら、この反りによって柄は手元が下がり角度が付きます。家庭菜園で畑ように使用すると、手元が下がる分過度な腰曲げの作業姿勢になってしまいます。新潟県や山形県では比較的鍬の反りの深い鍬が見受けられますが、私の営業範囲では少数派のようです。
これが家庭鍬は使いにくいと言われる理由の一つになっています。

(反りを小さくした家庭鍬)

家庭菜園用に使っていただきたいから「家庭鍬」と名付けたのでしょう。地元三条での家庭菜園用でしたら、違和感なく受け入れられますが他の地域ではどうでしょうか。
この様な現状を踏まえて地域の実情に即した、弊社オリジナルの「家庭鍬」を開発しました。地元の鍬の反りが小さいある地域のホームセンターでは、ロングランのヒット商品になっています。

「鍬」はコミュニティの知恵と力であったと実感!
2012/10/07  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





出張先で時間があると訪れる民族博物館。地域の伝統的な生活用品が展示されています。

その展示品の中でほぼ外さず、点数の多少はあるにしても「鍬」の展示は私の興味の対象になります。
それはただ地域で育まれた鍬の形状に惹かれるのでは無く、名称にその土地の様々な知恵や作業の労苦、立ちはだかる自然が反映されていることです。

鍬の姿と名称がその土地の有り様を見事に映している。つくづく日本人は、先人たちの知恵は凄いと感じられるのです。そして、あらためて自らの仕事の立ち位置を考えさせられるのでした。

今日出会った鍬も凄かった。ありがとうございました。

クワもアートになる?
2009/12/01  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





来年のシーズンに向け商談も活発になってきました。商品企画書作成のためクワの画像を撮る機会も増えています。

長い柄の先に金属の刃先、カメラを構えて構図を決めますがなかなか「これ!」といったものが撮れません。被写体がクワですからしょうがないのでしょうが・・・。

企画書にアーティカルな画像を添付すべく、デジカメを片手にクワと格闘しています。

地域鍬の需要再び?キーワードは『修理』!?
2009/05/19  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





弊社がホームセンター業界に商品を供給し始めて14、5年になります。当時、地域の鍬(クワ)の提案は物めずらしさもあってか、あちこちのホームセンターから引き合いがありました。しかしその後、EDLP(エブリディロープライス)の名のもと海外品に大きくシフトが進み、いまでは販売されている鍬(クワ)の大半が安価品といった売場ばかりになってしまいました。

しかし、世界同時不況や食の安心の問題もあってかこの春シーズン、ものを大事にしたい多くの個人のお客様からお問い合わせをいただいています。『現在使っている鍬(クワ)と似たものが近くで売っていない』『使っている鍬(クワ)を直してくれるところがない』など長く大事に使いたい鍬(クワ)、長く大事に使っていた鍬(クワ)に関するものが大半です。

これらは全て地域で独自の流通経路をたどっていたものです。土地土地の作り手と売り手が長い時間をかけて商品供給とメンテナンスの仕組みを作っていたのです。この仕組みが今や崩壊してしまっています。先日あったお問い合わせの中で、『○○農協は販売品は扱うが修理は扱ってくれない』と困った現状を訴えていました。

新たな地域の需要が起きていると実感しています。地域の鍬(クワ)の概念は「製品」から「修理」にシフトしてきた事は間違いなさそうです。逆に言えば「修理」が補完されている「地域の鍬(クワ)」といった商品。これはいったい誰が扱えるのでしょう。

全国津々浦々にあるホームセンターがその役割を担ったら、お客様が感じられる鍬(クワ)の不具合は大きく改善できるはず。

でもいまの効率主義のホームセンターでは手間のかかる「修理」を受け付けてくれるのは期待はできませんが・・・


受注爆発しないタケノコ唐鍬(トウグワ)
2009/04/08  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者



不景気の影響があちらこちらに現れ始めました。



この時季に例年受注爆発をおこすのがタケノコ唐鍬。今年は大量受注につながらず欠品を起こす事も無く順調に出荷が続いています。地のタケノコが出回る頃には疲労困憊してタケノコの顔も見たくないと言うフレーズが出るのが毎年のオチなのですがねー。



どうやら今年はそういうわけにはいかなそうです。

何かが違う?
2009/02/23  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者



鍬(クワ)は「一山越えれば形が違う」といわれるくらい各地で形状が見事に違います。近年は作り手である鍛冶やの減少で以前のようでは無いと言われていますが、それでも土地土地に特徴のある鍬(クワ)が存在しています。

そのような鍬(クワ)は地の鍛冶やさんが丹精していますので、価格は当然それなりになります。しかしホームセンターなどの量販では独自に仕入れる海外品のクワが980円程度で販売されています。時に、価格差が10倍以上などということも当たり前になっています。

都会で就職され定年退職後に畑仕事をされる方が増えています。先日のお問い合わせをいただいたお客様もそうでした。その方の問い合わせは、自分が子供の頃に見ていた鍬(クワ)とホームセンターに売っている鍬(クワ)の形が違うといったものでした。



上の写真左は山形県で一般的な形状の鍬(クワ)です。たとえばこの鍬(クワ)を見慣れている人がホームセンターで上の写真右のような鍬(クワ)を見たら、あまりに違う形状に違和感を覚えてしまうことでしょう。

このように記憶の片隅にある鍬(クワ)のイメージとお店にあるものが違うといったケースは全国どこでも起こりえる状況になっています。

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