燕三条鍛冶の伝統を守り、手造りにこだわり続ける鍬・農具の専門メーカー

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一日一鍬ブログ:相田合同工場

平鍬とは?
2007/01/25  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





今日は平鍬の説明です。

『平鍬』
「鍬をイメージしてください」と質問すると多くの方は板状の鍬を思い浮かべることでしょう。
この平鍬は昨日の参考資料に書いた『打ち引き鍬』の大半を占めます。地域によって形状が違うのもこ平鍬がほとんど。地域によって形状が異なるのは諸説あるが(土質・傾斜・栽培作物)私は作り手の問題が一番だと感じています。土地、土地の耕作環境の違いがある中、作り手である『鍛冶屋』と使い手である『農家』の思考錯誤の上の賜物。言わば日本の「ものづくり」の『究極のオーダーメイド』であり『パーソナルユース』のさきがけと言っても過言でないでしょう。

唐鍬とは?
2007/01/24  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





『鍬ギャラリー』は現在タケノコ唐鍬の特集展示中です。このホームページ内でも商品の分類説明を書いていますが、もう少し私の主観を入れて説明してみます。
一回目は唐鍬です。

『唐鍬』
唐鍬のほぼ全ては『打ち鍬』に分類される。唐鍬の作業は、根切り・抜根・耕起・砕土・穴掘り・開墾・タケノコ掘取りなど。用途は多岐にわたるがしかし、その形状は全国的にも大差がない。唐鍬の別を言うときに特徴的なのは重さで示すこと。現在でも300匁・350匁と商品名に表示されている。
『熊笹の根をザクザクと切りながら土を起こす』といったハードな作業に耐える作りが身上。反面構造が単純であるため安価に作成することもでき、期待を裏切る商品が多いのも現実だ。
地域で形が変化する鍬の中で作業と形態を考慮しても、最も広域で商品展開の可能性があるのはこの『唐鍬』だ。

【参考資料】◎作業方式からみた分類
作業方式から打鍬・引鍬・打引鍬の3種に大別される。
・打鍬とは、鍬先を土壌に打ち込み、柄を持ち上げることによって生ずるモーメントで土壌を引き起こすものである。従って、打込みの能力をよくするため通常刃庄部は重く、頑丈に出来ている。柄は比較的短い。
・引鍬とは、地面に平行に引き込むような動作で作業する鍬である。打鍬のように、打ち込みの運動量で作業する必要が無いので、軽量である。立姿勢を建前とするため、柄は比較的長い。柔らかく軽い土壌の作業で使用。
・打引鍬とは、打鍬と引鍬との中間的性格の鍬であり、打込作業や引込作業を意のままにできる鍬である。作業は中腰で行うため、柄は打鍬より長く、引鍬より短い。

鍬の説明なんでどうしても文章が硬くなってしまいますね。
ムズカシイ。

備中鍬の逸品 初めて見ました平鍬+備中鍬
2006/11/13  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





備中鍬(三本や四本鍬、写真右)の‘刃先が平鍬のように板状につながっている窓鍬’は全国的にも良く見かける鍬です。しかし、その逆に‘刃先が備中で元が平鍬’といったのは見かけたことがありませんでした。
写真は修理でお預かりした鍬です。向って左の奇妙な鍬は私が未だ見かけたことがないタイプの‘刃先が備中で元が平鍬’に近いものでした。それは金太郎の腹掛けのように、板状の薄い鉄板を備中鍬の上部に溶接して作られていました。とても平鍬に備中の刃を足した作りとは言いがたいのですが、このとても奇妙な形に、修理の荷物をほどいた時はたいそう驚かされたのは確かです。
作業にあった道具を工夫することはよくあることですが、こと土農具については想像の範囲を超えることがしばしばです。

知恵や長寿・財産を授ける神様 水の神様 弁天鍬
2006/11/08  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





弁天様の羽衣をまとったような形をしているの弁天鍬と呼んでいます。または神社の鳥居のようにも見えるので鳥居鍬と呼ぶ地域もあります。いずれにしても日本人の信仰の対象となる神様を鍬の中にも見ているのです。
そんな弁天鍬が大事に使われ随分先が短くなって、弊社に修理に来てくれました。このたびも野鍛冶の仕事に感心させられながら、修理させていただきました。ここのところ修理品が来るたびに勉強させられたり関心させられたりが続いています。

鍬のサンプル
2006/11/06  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





弊社に寄せられるオーダーの多くは写真のように実際に使っているものがサンプルとして持ち込まれます。このサンプルは地元の農家の方が持ち込んだものです。実はこのサンプルに出会うまで地元でこのような鍬が使われていることが判りませんでした。ましてや地元のホームセンターで売っている訳がありません。
同じエリアとはいえそれぞれの農家の方々が作物や作業の質によって使いやすい道具を各々に揃えているといった当たり前のことにあらためて気づかされるのです。作り手として、要望のあるものは限りなく答えていきたいという気持ちと、商売として最小限の効率を同居させる事に悩みは尽きません。
今地元では市長選挙の真っ只中です。つまらない舌戦ばかりが話題になっているようですが、トップに立つ方には市民の要望と行政の効率化とをいかに同居させるのかを聞いてみたいですね。当選の暁には是非その腕前を見せていただきたいと思っています。

嫁入り道具
2006/10/20  / カテゴリー:鍬あれこれ  / 執筆者:サイト管理者





1999年、関東方面の鍬の調査に行ったときの写真です。群馬県の東部、桐生市近郊の農家を尋ねた時に見せてもらった鍬です。
向って右側は「風呂鍬」。関東田鍬の系統の鍬で「野州鍬」と呼ばれるタイプのものと思われます。木の台座に入れ歯をするように金属の刃を取り付けたものです。全部鉄のものに比べるとずいぶん軽くできています。この軽さと木の浮力が軟弱地盤の田んぼには有効だそうです。
左側の四本鍬は関東一円で見られる「まんのう」系統の鍬で特に北関東で見られる外側の刃が肩を怒らせたように曲げてあるのが特徴の鍬です。このタイプの鍬にも2系統ありまして、刃先が写真の様に細くなっているものと、うなぎの頭みたいな紡錘形のものとに分かれます。この鍬に取り付けられてる柄は竹でした。写真でも竹の節が見えています。
見せていただいた農家のおばあさんが私に説明してくれたのですがこの2本の鍬は嫁入り道具なのだそうです。今はほとんど使ってないらしいのですが、大切に保管されていました。とても楽しそうに鍬の話をしていただいたのが印象的でした。
鍬にも人の歴史があり、思い出とともに今にあるのだと感じた一時でした。

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